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 視界が、歪んでる。
 あばれるうちにめがねが外れかけて、ずれてしまってるせいだ――。
 いいや。
 それだけじゃないことは、ぼく自身が‥‥誰よりもよく、知っている。
「ぅ、ぁあっ! や‥‥や、だ‥‥‥‥あぁっ!」
 深く抉られ、かき回されて。
 ぼくは懸命にもがいて、のがれようとする。
 ミスターの合図で、ぼくは男たちにおさえこまれた。
 抵抗する間もないくらい、あっという間に。
 下半身の服を無造作にはぎとられて。
 男たちのリーダーが無表情に服をすべて脱ぎ捨てて、ぼくを――。
「‥‥‥‥‥‥」
 男は顔色も変えずに、淡々と腰を使っている。
「いやがって見せているわりには、気分を出しているな」
 冷えた声が鼓膜に突き刺さってきた。
 ジョウさんの、声だ。
 ジョウさんはまだミスターのデスクの脇にいる。
 腕組みをして、醒めた表情で、犯されるぼくを見ている。
「いやだというのはポーズか」
「ち、‥‥ちが、ぁぐ‥‥っ!」
 張り出した部分がどこかをえぐって、目の前が真っ白になった。
 
「おう、カイ! そこにいたのか!!」
「え‥‥。うわ‥‥!」
「ちょうどよかったぜ! 今おまえんトコ行こうと思ってたとこだ!」
「け‥‥ケンさん‥‥‥‥?」
 威勢のいい声とともに駆け寄って来たのは、ケンさんだった。
 ‥‥なんだか、ものすごく、ヘンなモノを抱えてる。
「あの‥‥それ、は?」
「これな! おまえにやろうと思ってよ!」
「え? ぼ‥‥ぼくに、ですか?」
「ほら、こないだ悪ぃコトしちまっただろ。だから詫びがわりにって思ってよ!」
「は、ぁ‥‥‥‥」
 あらためて、ケンさんの抱えているモノを見る。
 灰色で。
 ‥‥2メーターぐらいあるんじゃないかな。
 すくなくとも、たぶんぼくの身長ぐらいは‥‥間違いなくあると思う。
 
「ぁ‥‥」
 ぴくん、と。
リックさんのそれがひくついたのがわかった。
「うん? どうかしたかい?」
 ぼくの体が緊張したのがわかったのか、リックさんの声が笑う。
「い、いえ‥‥‥‥ぁ――」
 また。
 ぴくって、動いた‥‥。
 それに。
「ん、っ‥‥‥‥」
 なんだか‥‥変な、感じが。
「どうしたんだい? 言ってごらん?」
「いえ、なんでも‥‥ぁ、っ‥‥‥‥んく‥‥」
「ふふ。ほんとに恥ずかしがり屋さんだなあ、きみは」
「あ――‥‥」
 緊張にすこし勢いを失いかけてたものをやんわりと握られて、ぞくっとしたものが背中をはしった。
 うしろが反射的にきゅっと締まって、いっそうはっきりとリックさんのものを意識してしまう。
 それを待ってたように、リックさんがゆっくりと腰を使いはじめた。
 
「邪魔だな」
 ぼそっとジョウさんが呟いて、ぼくは目をしばたたく。
 さっきも、何か言っていた。
 ぼくには意味のわからないことだったけれど。
「ジョウさん‥‥? え――‥‥」
 ジョウさんが手をのばして、ぼくのめがねを無造作にもぎとった。
「あ、あの‥‥? ‥‥‥‥っ!」
 ふいにあごをつかんで引き寄せられて。
 ジョウさんの唇がぼくの唇に重なってきた。
「んんっ‥‥!」
 びくっ、と身がすくむ。
 反射的に、体を引こうとした。
 だけどジョウさんの手がそれを許さない。
 呆然としてる唇の間から、舌が。
 もぐりこんで、きて。
「ぅ、んっ‥‥。‥‥‥‥ん、‥‥ふっ‥‥‥‥」
 ジョウさんの舌が、口の中をあちこちさぐる。
 ぼくの舌をみつけて、逃げようとしたのを強引にからめとった。
 舌の裏側をくすぐるようにされて、背筋に甘い痺れがはしる。
「ん‥‥ぁふっ‥‥‥‥んっ‥‥」
 胸の奥から、どうしようもなく狂おしい感情がせりあがってきて。
 ぼくは自分からジョウさんの舌に自分の舌をからめて、キスを返していた。
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